2009/10/31

体重管理 2009年10月末

2009年
8月末:82kg
9月末:79kg ⊿=-3kg
10月末:78.5kg ⊿=-0.5kg

生活環境はほぼ落ち着き、欠食やストレスによる減量への寄与度は減少。一方、自転車を盗まれたことにより、往復計25分程度のウォーキングによる効果(チャリ通学効果を差し引いたネットベース)が発生している。朝は所要13分の距離を10分で歩いているので、かなり競歩気味。あと、食生活でも昼はサラダ(といってもボリューミー)の日とかが増えた。あと、勉強もそれなりにしてるので、脳みそも結構カロリー消費してるはず。
以上を合わせると、複数のエネルギー消費理由があるのに、さほど減量が起きていない気がする。11月あたりからは運動量を増やさないと増加基調となるかもしれない。

2009/10/30

ラヴィ・シャンカール@サンフランシスコ

中間試験が終わり、インド人夫妻に紹介されたラヴィ・シャンカールのライブを聴きに行った。
http://www.sfjazz.org/concerts/2009/fall/artists/shankar.php

前日まで試験勉強できりきりまいだったために、最初は「民族音楽」くらいなのだろうと思っていったのだが、どうも着いてみると雰囲気が違う。皆が超集中して、一つの音も聞き漏らすまいとしている。そもそも主催はサンフランシスコのジャズ音楽のプロダクション。

曲目すら良く分からなかったのだけど、どうもフュージョンっぽいけど伝統的な楽器ばかりでやっている感じ。前半の部はアルファ波全開で、夫婦共々ストーンと睡眠天国へと誘われた。(大変気持ちよかった)

そして後半。だんだんとジャズっぽさというか、セッションが盛り上がりを見せる。親子での競演なので、相性はばっちり、という感想を書きたいのだが、あいにくシタールの演奏を聴くのは初めてなので何ともいえなかった。
ただ、どんどんとジャムセッションは盛り上がっていく。何ともいえない打楽器やスキャットの応酬、ご老体の指から弾き出される軽快なリズム、お前はジミヘンかと思わせる娘のピッキング。後半は全く睡魔に襲われることなく、楽しむことができた。

終わった後、どうもスタンディングオベーションやおじいさんの挨拶する回数が多くて、この人は只者ではないのでは、というのが理解できてきた。
驚いたのは帰ってウィキペディアを開いたあたりから(参照)。シタール、という項目を開くと、このおじいさん、奏者として最初に出てくるのがこの人。ジョージハリスンの先生でもあったらしい。そして御年89歳。おじいさんとは思ってたけど、こんな長者であったとは。
さらに、ぶったまげた、のは、この人、ノラジョーンズのお父さんだったことである。何だか年齢が合わない気もするが、演奏していた娘とは異母姉妹で、娘のほうは自分とほぼ同い年。世代を超えた存在であることが良く分かった。

インドの文化は深くて、まだ良く分からない。これはおそらく冬にインド旅行をすることになると思う。

ご参考までに本人の演奏動画。確かにAcross the universeとかではこんな音色が使われてたな、と事後的に確認できる。


その2.Across the universe



その3.ジョージハリスンとのレッスンシーン

2009/10/25

典型的な一週間 (EAP中)

GSBの生活は、基本的に月火木金に授業が集中している。EAP期間中の自分の時間割は以下の通り。

月 1000-1130 グローバル経営論
  1330-1500 組織行動論
  1515-1700 企業戦略

火  800- 945 ファイナンス

水  830-1130 リーダーシップトレーニング

木 1000-1130 グローバル経営論
  1330-1500 組織行動論
  1515-1700 企業戦略

金  800- 945 ファイナンス
  1330-1500 クリティカルシンキング


これらの授業には一コマ最低でも2時間は確保したいところ。2時間では、ケースをざっと読み込んで、そこそこの論点を考えるのが自分の限界。ケースとは別に30-40ページくらいの読み物が付随していることが多く、これらは本当に流し読みになっているのが正直勿体無いところ。授業によっては、事前に指定されたチームでどんな戦略を提案するのかの検討を要求する例もけっこうある。
加えて、クリティカルシンキングの授業において、毎週水曜21時締め切りのペーパーがあり、読書やDVDでの情報インプットと作成、ライティングコーチの査読に出すプロセスも含めて、個人的にはのべ10時間くらいを費やしている。
上記を合計すると、一週間だと準備・課題作成に最低28時間は確保する必要がある。平日だけで換算すると一日(集中した)6時間弱。付加的なリーディングに10時間くらいそれとは別に割くため、平均的な就寝時間は3時過ぎくらい。結構勉強しているなあ、という実感はある。
惜しむらくは、すでに「情報量のオーバーキャパシティ」を実感してしまっていること。すでに理解ができていることだったら良いのだけど、中々授業の復習に割く時間が確保できない。ほとんどの日において、時間的余裕がないために、家に帰ったらすぐに次の日までに必要な課題のリストアップを始めてしまう癖がついてしまった。そうすると、その日のケースを通じて考えたり、浮上した疑問については正直手放しになってしまう。なんとかしたいところ。

2009/10/24

Week 5 終了

今週はいつにも増して大変な一週間だった。中間試験前に、中間課題なるものが3件課されており、普通のワークロードに更に嵩増しした感じ。来週は試験なので、週末も一応勉強ということになっている。

0.EAPについて

本ブログで触れてこなかったが、現在GSBの一年生はEAP(Exclusive Academic Period)と呼ばれる「学業専念期間」にあり、これが中間試験が終わる来週まで継続している。この期間が2年間の間では一番大変だとか、就活しないで済むからまだいいとか、そんな意見がちらほら。原則的にクラブ活動(ビジネススクールには職業系クラブ(金融、コンサル、マーケティング等)、体育系クラブ(サッカー、アメフト等)、その他(愛犬、ワイン等)がある)も禁止されている。これが来週から一斉解禁になる予定。

1.課題の山
グローバル経営論、戦略論、リーダーシップトレーニング(後述)の課題がそれぞれあり、平均して5-6時間くらい消耗。これに加えていつもですら読みきれてないコースリーダー(読書)があったので、今週は授業が消化不良も良いとこだった。消化よりも、もはやコールドコールを巧く避けるか、何とかやり過ごすかというゲームになってしまった。
課題については、英語を書くスピードはそれなりに上がってきた気もするが、やっぱり元々何を書くかに時間を消耗する度合いは変わらない。クリティカルシンキングの授業を通じて、少しずつこっちの人に受ける思考方法や、テクニックを学ぶことはできている気がするが、中々ブレークスルーとか、そういった物がある分野ではないので着々と、とにかく書いた枚数や貰った点数の累計とかで、自己満足を覚えていこうと思う。

2.友人の誕生パーティに飛び入り参加
こんなに忙しい週だというのに、友人は誕生パーティを開催。たいしたものだ。アイスが好きらしくアイスパーティなるものだったが、家にあった調理用の日本酒を持参して、少し飲ませて帰ってきた。

3.チームからのフィードバック
リーダーシップトレーニングの授業では、以前書いたチームのメンバーから、綿密に「どのようにコミュニケーションスキルを磨くべきか」という批評を半期ごとに受け取ることになっている。今週はこれがあり、7人のチームメートにそれぞれ30分~1時間のフィードバックを記入した。提出時間が過ぎると、逆に自分へのコメントが閲覧できるようになる。
フィードバックでは、必ず長所と短所をセットで書くようにできているので、改善点についても本当に忌憚のない状況で反省点が示される。まだ一読した限りだが、これが本当に有益なものだった。ビジネススクールというRisk Free Environmentの中で、レベルの高い学生の綿密なやり取りから生まれるラーニングは貴重なものになった。こういったフィードバックをもらえることが、ウェブベースのMBAプログラムとは異なる点だし、フレンドリーな学校ならではの醍醐味なのだろう。

4.ファイナンスの授業はちょっと楽
やっぱりこれは少し楽をしてしまっている。MM定理とかをゆっくり解説してもらいながら、色んなことに想像を膨らませられるのは結構豪華な時間。
ファイナンスの授業は、一応最上級のクラスに入れて貰っているのだが、経験者は皆ちょっと退屈しているような感じ。パソコンを原則持ち込んでエクセルをいじる授業(必須ではないが)なので、何人かの学生がデイトレに勤しんだりしている。ただ授業そのものも楽しいので、頭の体操には良い感じ。朝から8時の授業なので、まあ、しょうがないのかも。。。

2009/10/23

ロシア著名投資家の講演

中間試験前で慌しいGSBの毎日。そんな中、ロシアで投資活動を行う卒業生ビル・ブラウダー氏の講演があった。ここ2年ほどで聞いた中では、一番エキゾチックな内容の講演だった。




同氏はロシアで13年前よりエルミタージュ・キャピタルという運用会社を創立している。ロシアでもっとも有名な「アクティビスト投資家」であるそうな。ただ、そこにいたるまでのキャリアも非常に面白い。以下だらだらと箇条書き。


・祖父はカンザス州出身。祖父は牧場を経営していたが、売却することになり近くの工場に勤務。工場内の組合活動で頭角を現し、次々に大きい組合へと転進。組合活動が嵩じて、最終的にニューヨークで「米国共産党書記長」となる。その後、ロシアに移動し、祖母と出会い結婚。米国に戻る。
・そんな祖父を持つビルは(共産党一家に対する)反抗期になってスタンフォードGSBに進学。しかし、就職する前になって自分の競争優位は祖父だ、と気づく。東欧でのビジネスを2年生だった1989年に模索。そんな人は当時全くいなかった。
・ボストンコンサルティングのロンドン支局に変わったマネージャーがおり、「東欧ビジネスが立ち上がった際には君が責任者になれ」というお触れで採用。さっそく、東欧でのコンサル仕事を探し始める。
・当時、ちょうどポーランドのバス会社が世界銀行がらみでコンサルを探していた。仕事自体はリストラ絡みのつらいものだったが、現地の新聞を眺めながらポーランドでは民営化が進展していて、株式の公募が行われていることを知る。財務諸表を見てみると、どう計算しても「株式の公募価格が前年一株利益の半額」という水準になっており、とりあえず全財産の4000ドルを同株式につっこんで見た。
・1年後、株価は10倍に。10倍に増えるのを見ると、身体に変な薬物が流れるのを感じた。東欧はとんでもない場所なのではないかと思い、ビジネスをしなければ、と確信。
・ソロモン・ブラザーズに移籍。入社当日、「給料の5倍稼がなかったらクビ」と宣告される。で、とにかくポーランドやハンガリーの民営化案件を回ってみるが、全くサークルに入れてもらえない。しょうがない、と思っていた中、ロシア市場にもたまたま目を向ける。当時ソロモンはおろか、ウォール街の人間は誰もロシアで投資銀行業務をやっていなかった。東欧担当だったので、勝手にロシア担当も襲名。
・ロシアで、漁業権の買収に関する助言案件をゲット。20億ドル相当の船舶を、250万ドルで買うべきか、という助言であり、おそろしく簡単であると共に、例の薬物が流れるのを再度感じる。
・こんなに美味しい話があるわけがないと、モスクワで情報収集を実施。すると、今度は国民に国営企業の民営化バウチャーが配られていることを知る。その額が、全国有企業の30%の株式で100億ドル。安すぎると感じ、ソロモン内で騒ぎ始めたが、当時は「お前どうかしてる」という態度で相手にされなかった。
・当時の超上級幹部からこの件でプレゼンを頼まれる。熱心にプレゼンをするも、彼は興味がなさそうにしており、全く相槌を打つことなく、20分ほどしたら部屋を出て行ってしまった。途方にくれていると、十分後に戻ってきた。「こんなにすごい話は聞いたことがない。リスク管理部に今2500万ドル投資するよう言ってきた」。
・投資を行ってみたところ。7ヶ月でポートフォリオが5倍に。
・1億ドル稼いだ男としてエコノミストに紹介される。同時にソロモン内で一躍引っ張りダコに。社内にロシア・タスクフォース委員会が設置されるも、どう見てもパートナーが自分の手柄の横取りをしているようにしか見えなかった。退社し、1996年、自分でエルミタージュ・キャピタルを創業。
・とある大型プライベートバンクから2500万ドルの運用資金を獲得。投資先として、石油企業に目を付けた。当時。クレディスイスがアナリストレポートを発行している会社は、ほとんど差がない同業他社の10倍の株価がついていた。よって、カバーされていない銘柄を独自に調査をし、投資。
・最初の一ヶ月で35%、二ヶ月目に40%のリターンを記録。プライベートバンクの顧客から運用資金が殺到し、一気に元本が1億ドルに。その後、18ヶ月で800%のリターンを記録した。
・30代前半、800%、楽しい毎日、ヨット生活のススメ。これらは、全部「売り」のシグナルだったのだけど、全部見過ごしてしまった。
・ロシア危機が発生。10億ドルの運用資産は一気に1億ドルに。資産が減る中で、投資先企業からロシアの不正勢力に資産を強奪されていたことに気づく。
・情報を集めると22人の重要人物が、ありとあらゆる形で、国有企業等から原油等の権益を奪っていた。
・当時、ガスプロムはエクソンモービルに比べて0.3%の株価しかついていなかった。その理由は権益が強奪されていると思われていたから。ただ、さすがに0.3%はないだろうと思い、調査を開始。40人の重要人物に会食を申し込む中で判明したのは、人々の不正に飽き飽きした態度と、すさまじい額の横領であった。9人の重要人物が、エクソンモービルの有する権益の規模に相当するガス田を手に入れていた。しかし一方で、その規模はガスプロム全体の9%に過ぎず、まだ多くがガスプロムに残っていることも分かった。
・さっそく投資を実行。同時に調査結果をFTやWSJ、ビジネスウィーク等のメディアに一斉に送りつけた。クレムリンは火の海に。同年後半、プーチンが大統領に就任して最初に行ったのは不正問題の浄化であった。
・ガスプロムの株価はその後100倍に。その後も銀行等への投資を行って今に至っている。
その後ビデオによる解説



http://www.youtube.com/watch?v=ok6ljV-WfRw&hl=ja

要点は
・07年に国家安全上の脅威として入国拒否。その後のダボス会議でメドベージェフ氏にビザの発行を頼むが、快諾されたと思ったら、自分のオフィスへの捜査が行われる。持ち出された企業の重要資料を用いて、12.6億ドルがなぜか横領される。その上、2.3億ドルの納付済みの税金が別の犯罪グループに横領される。担当弁護士も逮捕されたりしていて、色々大変。


ブラウダー氏はソロモンで荒稼ぎした人に多いような気がする涙袋をしていた。それは良いとして、最初はアントレ的な視点でビジネスを拡大しながら、いつの間にか命を狙われるような存在になる躍動感。1時間の講演で聞けたことは限られていたが、パワーはすさまじいものがあった。

日本でもジムロジャーズの世界行脚本が結構読まれていたりするくらいなので、90年代央のようなエキゾチックな海外投資というのは、ちょっと今の世界では考えづらい。ただ、同じくらいに誰の視点の中心にもない運用機会・ビジネスというのは存在するはずで、そんな対象に頑なにコミットする人ってこういう人なんだな、という感想を持った。あと、独特の出自というのは別に成功していなくても話として面白かった。そういうものを大切にしながら、ビジネスをすることは大事なんだなあ、と感じた。

2009/10/19

Global Fiesta Day

毎年開催される万国料理自慢大会。自分の発案で、ウォートンの同様イベントで高い評価を受け、諸所でも「もっとも完成された日本料理」としても名高いジャパニーズ・カレーを出してきた。家内が夜なべして玉ねぎを煮詰めて作ったカレーの受けも良く、1.5時間くらいで完売。初めて食べた人たちには新鮮な驚きだった模様。一方ニューヨーカーの間ではゴーゴーカレーの評判がすでにそれなりにあって(超推奨記事)、カツはないのか、とまで言われた。

イベントに際しては、料理だけでなく服装の万博にもなることが予想された。いちおう、浴衣というオプションはあったのだけど、敢えてキワモノでいくことにした。













参考資料







by [Z]ZAPAnetサーチ2.0







by [Z]ZAPAnetサーチ2.0

これを不審者と言わずして(以下略)

カレーは自己評価でもすごくおいしかったと思うのだけど、どう考えてもビジュアルの方で目立ちすぎてしまった。東京ドームシティに日曜日に参集するコスプレーヤーよろしく、夫婦で写真をせがまれまくる。
ただ、ショックだったのは、ポケモンの知名度。日本のソフトパワーを信じすぎていたのかもしれないけど、たぶん7割くらいの人が「黄色い服は何かのアニメだろう」という感じで興味を示してきていた。Pokemonを知っている人はいても、Pikachuを知っている人は全体の1割未満。Pocchamaに至っては日本人の間でも全く知られていない。別に知っていて当然とは思わなかったけど、常識ってこういうものなのか、という発見であった。

大人数向けの料理においてはカレーが良いのかもしれないけど、やはり少人数で寿司を振る舞うのももうじきやりたい。こういう機会を通じて、それなりに日本の個性への理解を広めていきたい。まだGDP3番目の国なんだもの。

2009/10/18

歌舞伎公演@サンフランシスコ

サンフランシスコ州立大にて行われた歌舞伎公演に、インド人夫婦と一緒に行って来た。
サイトはこちら

日本でも本年の7月だったか、国立劇場でやっていた歌舞伎教室には行ってみたのだけど、正直こっちのほうが外国人向けに良く練られていて、面白かったような気もする。さすがエンタの松竹、というパワーを感じた。出演は中村京蔵氏および中村又之助氏。

前半は裏方の説明や、楽器の用いられ方が解説された後に、鷺娘が演じられた。鷺娘では引き抜きがテンポ良く3回ほど行われるので、初見の人にも優しい構造になっているのかもしれない。最初の10分ほど、おそらく睡魔と闘う方も多かったのだと思うのだけど、それを耐えた人たちは、相当集中した目で舞を見ていた。

後半は、よりいっそう盛り上がりを見せた。まず、女形の歩き方の基本や振る舞い、感情表現の説明がなされた。さらには、女形の化粧や着付け等、日本でもお目にかかれない舞台裏が壇上で拡大カメラを用いて解説される。その後実践編のように、石橋(赤と白の鬣を持った獅子が頭をぐるんぐるん回すのがハイライト)が実演された。
これほどまでに、歌舞伎への入門のハードルを下げた構成は見事なものだと思った。個人的にも満足したし、同伴した友人夫婦も結構満足いただけた模様。
ロス、サンフランシスコの後、シアトル、ポートランドおよびデンバーで公演をやるとのこと。その内容において、領事館の人たちによる通訳が入ったり、米国滞在暦が長そうなおっちゃんのうまい解説が入ったりと、細かい手作り感が大したものだと感じた。

話題は逸れるが、アジア人の飲み会では、複数の全く別の会話から、「日本語は話せないが読める。きっかけはFFかドラクエ。これをやるために、必死で日本語を読めるように勉強した」と言われて感動した。その昔、英国でケロケロケロッピがやたら人気だったりしたときに、この名前の意味を教えてくれとせがまれて困ったことを思い出した。文化のパワーが強ければ、言語や周辺環境への理解も必然的に追いかけてくるもの。別にゲームやキャラクターだけがソフトパワーではないと思うけど、もっと戦略的に、こういった文化を地道に売り込む努力の大切さを痛感し、各地の領事館の方々のご努力に改めて敬意を感じた。今日の歌舞伎は最後にはスタンディングオベーションで幕切れとなった。こういった取り組みが、たとえば一人でも多く子どもに日本語を習わせようとか、日本に旅行させてみよう、といった行動につながってくれれば、と思う。
そういう意味では、明日はGSBのグローバル・フィエスタなるイベントが開催される。こちらは日本食の中で最近もっとも外国人受けするとされる品を用意中。身近にできることから一つずつ。

2009/10/17

Week 4 終了

今週は宿題やらを片している間にさっさと過ぎていった印象。ようやく、学生生活、という状態に身体が移行してきた。一週間のハイライトは当然ながらCondiの授業であった。ただ、他にもケーススタディでいよいよ深遠なテーマを扱い始めたり、学生間でのグループプロジェクトが始動したりしていて、何かと多忙。


1.銀メダリストの話

Condiとの授業で発覚したのは、自分のクラスにも北京五輪での銀メダリストがいた、ということ。水球で獲得した銀メダルを、なぜかCondiとのツーショットを撮りに行くというサプライズ。ちなみに、同じ学年には一人、ブラジル人のプロテニスプレーヤーがいる。GSBでスポーツができる、という為には、長らくやってました/コーチしてました、というだけではちょっと厳しくて、惑星レベルでのプロであることが必要なのかもしれない。

2.テニス会
スポーツ繋がりでは、スタンフォード日本人会のテニスに初参加。2年ぶりくらいにラケットを握り、順調な衰えぶりを実感。皆さんもレベルが高い。勉強ができる人は上達もうまい、というのを強く実感。学生時代から、ミスが多いテニスを克服しようとしてきたけど、今後継続参加できたら何とかそのあたりから改善していきたい。

3.性格診断
リーダーシップの修練において、自分を良く知る、というのは強く意識されたテーマである。今週、非常に面白く、かつ学習できたのは「自らの素性」をマイヤーブリッグズテストで判別し、それをどう変えてきたか/変えていくのか、を議論できたこと。このテスト、自分にとっては恐ろしく精度が高かった結果が出ていて、分類(外交的・内向的、表層的・文脈的といった項目4種類で性格を16種に分類)もその度合いもばっちり思ったものが出ていた。一言で言ってしまえば、論理的思考が不得意、内向的、情報判断が文脈重視等。これをベースに、どんなスキルを伸ばす必要があるのか、をディープに話し合うという授業があった。
自分が一旦何らかの枠付けをされてしまうと、そこが思考の参照点になってしまう、というデメリットはあるのかもしれない。けれども、それが真摯な悩みの出発点になることも確かで、こんなにオープンな雰囲気のある場所でなければ、面倒に感じて「流し」てしまったのかもしれない、と思った。

4.アジア人の飲み会
韓国、中国およびタイ、というアジア共同体のような飲み会が週の終わりにあった。マンツーマンで話すと何となく感じる、カリフォルニアの雰囲気と、100%溶け込めないシャイなアジア人感情というのが、爆発していたような印象。
こちらの風土は、初心者にはちょうど良いのだが、段々とこちらのコミュニケーション能力が増してくると、本格的なスピードが非常に速いことに改めて気づき、たまに怖気づくことがある。特に、英語圏に初めて住む、みたいな人も、かなりマイノリティーとはいえそれなりにいる中で、同様の不安感というのが、フレンドリーさの陰にはあるような気もする。こういうのを溜め込まずに、積極的に開放する場を設けているのだなあと、素直に感心。うまくついていけないと夏目漱石同じくホームシックになってしまうので。

5.やっぱり肉がうまい
Whole Foodsに行くたびに、肉コーナーで目移りしている。こちらはなんだかんだで、肉がうまい。「○○地鶏」とかがあるわけではないけど、しっかりと管理された環境で育てられた肉類が豊富。
今週はラムチョップに挑戦。滅茶苦茶おいしかった。
材料費的には写っている分で300円くらいのお肉。日本だと中々チャレンジできない(といっても挑戦しているのは妻だが)ものにも、結構気軽に飛びこめる価格帯がありがたい。

2009/10/13

スーパーゲストによる講義

本日と木曜の2回、グローバル経営論の授業はスペシャルな教授が行うこととされ、一ヶ月前ほどから話題として盛り上がっていた。



その人物は、なんと、



















ライス元国務長官。
元々スタンフォード大の政治学教授であり、93-99年の間、副学長も勤めており、本年政権が代わるまで国務長官であった。今年の春から、再び教授職に就いている。GSBで授業をするのは久しぶりのことらしい。必修科目で、64名のクラス相手に二コマ授業をする(6クラスあるので、合計12コマ)ということで2年生からもうらやましい、といった声を聞いていた。
いつもの担当教授も 「今週は Condi Week だぜ!」とノリノリ。

第一回のメインテーマは、国際間での制度の違いについて。一回目は、国家レベルおよび国家間でのコンフリクトが取り上げられ、怒涛のケース3本(+今までに読んだ2本)が事前課題に。カバーされたトピックは以下の通り。

・ドバイ国有会社による米国の港湾買収
・イーベイの中国進出(失敗)
・グーグルの中国における戦略(政府による検閲との戦い)
・ガスプロムと国際政治
・EUでのマイクロソフトへの課徴金

正直幅広すぎる感じで、総花的な議論にならざるを得なかったのは残念なところ。ただ、ケーススタディの実際の主人公であることや、実際にネゴシエーションの場面、政治家としてできることの限度などについては、ノートには残しきれないメッセージがあった。授業中に発言をしたものの、やっぱりちょっと緊張したというか、歯切れが悪かったような感じ。

本題とは違うけど、やはり佇まいがすごい雰囲気を出しているというか、50代半ばには見えない若さ、すごく似合ったスーツとか、そういう外見も印象に残った。


第二回の授業は、日本でもたまに行われる模擬国連の、イランに対する制裁協議版。
事前にケースを読み込み、当日は一人ひとりが6カ国の首脳(トップ、外相、財務相、防衛相)としてのロールプレーを行う。自分はガイトナー。ガイトナーだけど、結局国務長官のヒラリーに伝言や分析を届けたりするようなお使い役。授業の組み立て自体はよくできていて、偽物のNY Timesの記事とか、途中で情勢が変わるような設定があったりと、盛り上がる楽しい授業だった。
ただし惜しむらくは、ライス教授の役割は、最初に指名を読み上げて、ゲームのルールを読み上げ、最後に5分ほど感想的なことを述べるのみに留まったこと。すごいゲストの周りで、ほとんど彼女無視でやんや議論をする、というある種の貴重な体験はできたのだけど、第一回に比べると、せっかくのインプットの機会が格段に少なかったのはちょっと哀しい。

二回の授業を経て、もっとこの人の授業を受けてみたい、と思ったのもあるけど、それ以上に、上述の文章にも見られるようにライス女史に対してすらDemandingになっている自分の姿に驚いた。まあ、それだけ、このMBA生活から得るものを最大化したい、という欲求が身体に染みつきつつあるのだと思う。

当然だけど、有名人が授業をしてくれる、ということ以上に、そのことが持つ意味も考えさせられた。国を挙げて若者を育成する姿勢や、ライス自身が結構授業が巧かったということ、学生側も全く臆せずにブッシュを茶化す質問をしたりしていること等、中々発想が及ばないことが、こちらでは常態となっている。これを不思議な体験としてではなく、日本でも応用可能な事例を考えて、この貴重な体験を活かしたい。

2009/10/11

スタンフォードでの食生活(初級編)

こちらにきて、ポジティブサプライズだった二つの点は、一つは学生の質の高さであり、もう一つは食生活のポテンシャルの高さ、である。後者について少し記しておきたい。

米国の食事というと、普段は、こういうのが想起される。


ただ、こういうものは、正直週に一度食べるくらい。20代後半にもなって、そんな簡単に味覚が変わるわけもなく、身体が求めるものはほとんど日本での嗜好と変わらない。
平均的な食事生活は;
昼は学食でメキシカン等のエスニック料理かサンドイッチ(どちらも6ドル程度)・サラダ(5ドルくらい)で「済ませる」という感じ。GSB内の学食は、正直東海岸の某有名校(Hではない)の学食カフェで売られているものよりははるかにマシであり、案外満足していたりする。ちなみに、どこでもフルーツ盛とかがあって、これはすごく美味しい。
夜は結構な頻度で、家で和食、という感じになる。

昼も家で食べられる日が1・2日はあるので、結局自炊のレベルを高めることにわが家の経営資源は現在割かれつつある。

日用スーパー

まず、ヘビーユースの普通のスーパーは以下のラインナップ。

Safeway:メンローパーク、車で8分程度。
でかく、日用品も揃う大型スーパー。物を選べばまずまず満足できるのと、何より近いのが利点。ワインもここは蔵か、と思うくらいにある。牛肉はこういうところでも、かなり安く、ステーキにして美味しいお肉が手に入る。

Whole Foods:サニーベール、15分
野菜・フルーツ・肉・魚が大変充実。鶏肉も美味しい。ここのトマトは、これまで食べたことがなかった位美味しかった。フルーツも然り。

チーズ、ワインも一杯揃っているのだが、後者は加州発行の身分証明書が必要なので、買うことができない(日本政府発行のパスポートはダメだった)。ちなみに、日本酒も入手可能(こちらもパスポートでは買えない模様)。



日本食スーパー


スタンフォード大学の近くにある日本食入手経路(あくまで一ヶ月間で把握できるレベル、初級編)は主に3ヶ所。

ニジヤマーケット(Mountainview、車で15分程度)
http://www.nijiya.com/
割と近い日本食スーパー。80年代終わりから5年間、ロンドンに住んでいたころ、ほとんど大型日本食スーパーというものがなく、最後のころに進出してきたヤオハンを見て本当に感動したのだが、ほとんどその時の規模そのままな印象。


ミツワマーケットプレイス(サンノゼ市内、30分)
http://www.mitsuwa.com/

ウェブサイトにもあるように、紀伊国屋書店やレンタルビデオも隣接する大型スーパー。ここで文句をいうようだったらもう海外に住んだらあかん、という気分になる。ここを上回るのは香港とかのスーパーとかくらいだろうか。サンノゼが日本人街としてはかなり古株であることを、何となく理解できる。

あまり良いサンプルではないかもしれないが、納豆とかも結構な種類が手に入る。

あと、お魚とかも。


マルカイ(クパチーノ店、25分)

http://www.marukai.com/

ダイソーとビアード・パパが隣接するスーパー。こちらも大きい。冷凍物のラインナップ、お刺身の質はこちらの方が上のような印象。



冷凍の干物とかも手に入るので、何というか「あー日本食、食べたい!」というときにも

こういうものは、結構手軽に家内に作ってもらえたりする。極楽。



はずれの存在


外食については、トラックレコードが蓄積されたころにまとめて紹介しておきたいが、選べば美味しい、という印象。
最初に食事の「ポテンシャル」という表現を用いたのは、ハズレはしっかりありますよ、という例もあるということ。たとえば、GSBの学食で売られている;

とかは、見た目は結構いけそうな感じなのだけど、ほとんどコナモノのエビ、味がついてない牛、ぼっそり芯の残っているごはん、野菜は枝豆と生姜だけ、という感じ。見た目で選んではいけない。


まずは初級編はこんな感じ。中級以上に発展することを長期的に期待。

Week 3 終了

生活の立ち上げフェーズから、徐々に授業に集中していくような段階にある。

1.Section Olympics
日曜に、64名からなるセクション(クラス)同士で対抗するSection Olympicsが開催された。



各セクションごとに共通のシャツとかを用意するケースも発生。しかし、自分の属するセクションはチームカラーのピンクを纏う。こんな色のTシャツは初めて。
チームとして微妙な結果に終わったが、どちらかというと全員で何かをやる、という一体感が重視のイベントで、楽しかった。

2.Wallyball
Olympics後、ウォリーボール(スカッシュ用のコートで行われるバレーボール、横の壁は使用可能)のGSBのチームに混ぜてもらい、初戦を勝利。


ただ、運動会と本競技で、久しぶりに身体を酷使し、月曜は動けないくらいに腰が痛かった...

3.友人夫妻とご飯
クラスで一緒のインド人夫妻に夕飯に誘って頂いた。彼の前職はBCGのシカゴ拠点。問題なく英語はできるし頭は切れる上、非常に親しみやすいキャラクター。インドマグロの話から、なぜかホストが客のツケが払えなくなったときにマグロ漁船に乗る、みたいな話をする。奥さんもおそろしく社交的。多人数で話をしたり、授業の流れを読んで英語を話すのは結構難しいけど、こういう形で少人数で、自分の組み立てた話題で中心で話すのはハードルが相対的に低いのかもしれないな、と思った。

4.車で最大のポカミス
木曜に、朝から晩まで授業を受けた後、そういえばガソリンがそろそろ切れるな、と思い帰宅してから超近所にあるガソリンスタンドで給油。
家に帰ったころに、ふと気づく。あれ、ディーゼルって書いてなかったっけ。レシートを覗くとまさにその通り。普通は走れないらしいのだけど、少量のガソリンが残っていたので走れてしまったらしい。結果はこんな感じに。


人生初のレッカー体験。幸い、プラグとかは無事だったみたいだけど、600ドルくらい修理点検費が計上された。
寝ぼけた時に慣れないことをするとろくな事がなし。

5.ケーブルテレビを導入
大学内の寮のある地域には、ケーブルテレビ網が張り巡らされている。月々50ドル程度で加入可能で、日本語チャンネルも一つあった。NHKの番組がほとんど流れているのは我が家には嬉しい。サンフランシスコベースのアジア・ヒスパニック向けテレビチャンネルでも、週に計10時間ほど日本語放送をやっていたのだけど、晴れて24時間放送、台風速報とかをこの国でも見られるようになった。

6.担当教官と面談
30分ほど、キャリアおよび勉強関連の担当教官に面談頂く機会があった。マッキンゼーの幹部だった方で、今は半引退気味で、自分の属するクラスのクリティカルシンキングの授業と、NPO経営論を教えている。正直、強面コンサルタントという感じで、凄くこわーいイメージを持っていたのだが、授業そっちのけで色々と親身に相談してくれた上で、大前研一氏と横山禎徳氏では、お前はどっちかというと前者寄りだというびっくり評価を頂く。どちらかといえば後者のファンだったのだけど…

7.FBI長官の講演
一時間、現役FBI長官の講演を聴く。いつもは伸びやかなビジネススクールのキャンパスも、この日は探知犬がそこかしこにいたり、シークレットサービスみたいなのがいたりと落ち着かない雰囲気。
講演そのものは正直、あんまり新しい発見はなかったのだけど、元々S大ロースクールの教授だったこともあって、気さくに言えることと、「それは全くお答えできない、すみませんねえ」といった話が展開される。FBIは911以前はパッシブな捜査機関だったが、テロ以降はテロの事前阻止がミッションとして大きく追加されたことや、それ以前は法的に不可能だった部門間の情報共有が行えるようになったこと等、過去数年間の激変の解説が行われた。

8.モルスタ幹部の講演
GSB卒業生のリサーチヘッドの講演も実施された。まとめてしまうと、DWの某社長はひどい社長だった、ジョンマック万歳、ゴーマンはタイプは違うけどすばらしいリーダー、という話の組み立て。金融危機の間、政府から様々な提携話を持ちかけられた際に、自分たちよりも劣化しているところとなぜくっつかないといけないのか、という点について、CEO Mackは頑ななポジションを貫いていた、それがリーダーシップというもの、ということが話の中心にあった。

9.授業関連
授業自体は色々と進展していて、すごい量のケーススタディの読み込み等を行ったりしている。読み込む量が多すぎて、消化も足りておらず、コールドコールに対処できるだけの準備はできるが「時間がなくて勉強ができてない」「知識が体化できていない」という状況。再来週には中間テストがあるので、それに向けて、もう少し体系的に自分の中で整理をしたいのだけど、今後時間はあるのだろうか。。。唯一、ファイナンスの授業だけは何というか楽勝な気分で臨めているので、少し楽をしている。
来週は、まさか、と思えるような某超有名人(一応S大の教授という位置づけ)による講義が行われる予定で楽しみ。

2009/10/03

Week 2 終了

だんだんと、真新しい発見の数は低減しているものの、3週間目に起きたことをまとめておく。

1.発言Of the weekを受賞
グローバル経営論の授業において、日本の小売業が取り上げられた。クラスで唯一の日本人である自分は集中砲火的に質問を受ける。
その中で、日本ではコンビニのPOSシステムが発達していて、消費者行動が見事に記録されており、サラリーマンが「愛妻のパンスト」を買う行動が観察されている、という話が自分に振られた。
「私も(頼まれて)パンストを買ったことがあります!」
は、だいぶウケ狙いで放った言葉ではあったものの、たぶん真面目なキャラとして見られていた自分とのうまいギャップがあったらしい。一週間、このネタでいじられ続けたが、別にHentai!という話ではなく、何というかコミュニケーションの距離が縮んだことで皆が話しやすくなったのだと思う(と、信じたい)。

2.ウェルカムパーティに参加
学校から15キロほど離れた別荘地のような場所にて、仮装パーティ(正装か体操着(学校のユニとか))に夫婦参加。夜21~25時という時間帯だったので、Hit and Awayで帰ってきたのだが、こちらに来てからというもの、生活セットアップで学校行事にあまり参加できていなかった中、良い滑り出しとなった。

3.授業のテーマ「人をどうやって動かすか」「コネをどうやって作るか」
組織行動論の授業は、毎回独特な内容が展開されている。今週の2コマは、人をどうやって動かすか、という事例を、12人の怒れる男たちを実際に見ながら評論したり、「お願いごとをポストイットに書いて他の人に助けを乞う(何も助けてもらえない人も発生)」といった作業を通して、ダイレクトに人が置かれるシチュエーションによって、他人との距離を縮めたり、コネを作り上げたりするプロセスを実感。いかにもなビジネススクールの授業で、今まで経験したことのない発見があった。

4.CATセミナー
GSBでは最初の学期における必修授業として、Critical Analytical Thinking(CATと略される)という授業が課されており、宿題等のウェイトとしては結構重い位置づけとなっている。先週はグーグルの中国進出についての討議が行われたが、今週はNRSRO(米国の格付け会社制度)についての議論であった。
詳しくはググって頂きたいが、NRSRO制度は米国においても金融オタクの話題である。課題はそれをかなり単純化したものではあったが、仕事で考えたり本で読んでいたトピックがそのまま全一年生の作文の対象となっている、という事実に驚いた。また、金融機関出身者でも、結構意見が分かれる(政府のみが格付を付すべき、というHF出身者)というのも驚きであった。

5.自転車の盗難
まだ現在進行中だが、チェーンをかけて学校の自転車置き場に置いていたチャリが紛失。こちらでは、防犯用としてチェーンは不十分とされており、U-Lockと呼ばれるいかつい輪をはめるのが普通になっているのだが、このときに限って授業に遅刻しそうでそれができなかった。わずか1.5時間の間の凶行に涙。

6.Whole Foodsに心酔
マウンテンビュー近くに、Whole Foodsという、Queen's Isetanに近い位置づけのスーパーがある。ここの野菜・果物・肉等がおいしくて、たぶんSafewayは緊急避難的にしか使えなくなるような印象。

7.ご近所づきあい
今住んでいるEscondido Villageは基本的に子持ち世帯が多くて、落ち着いた環境になっている。中には、子供がやんや遊べる砂場やら玩具やらが沢山あり、共同の庭となっている(日中は結構子供が遊ぶ声でうるさい)

大きな地図で見る

週の初めに、顔合わせパーティが催され、日本人のご家族と、日本が非常に堪能な中国の留学生の方とお会いした。スタンフォードにも、探せば日本語人口が結構いるが、キャンパスがでかすぎてなかなか一箇所に溜まる、ということがない。まあ、その方が個人的には良いのだけど。



2009/10/01

チーム

2週間半を経て、スタディグループに加えて、8人で討論等を行うチームでの作業ややり取りが増えてきた。既述のスタディグループのメンバーも含まれるものの、自分の属しているチームのメンバーの初期のイメージとして、以下に記しておきたい。


  • R:投資銀行経由でヘッジファンドから来た、いかにもな米国バンカーの風体。声が大きくて、正直何を話しても交渉ごとでは負けそうな雰囲気を醸している。実際に、交渉能力も高くて、どの段階で情報を出すか、何をボトムラインに持っていくか、絶対に譲らない態度、といったあたりからは間接的にいろいろと学べるものがある。その上で、結構まめに補習のクラスに出ていたり、自分はこういう貢献が足りなかった、といった自戒もできる。
  • T:既にコンピューターサイエンスの修士号を持つ中国人女性。頭の中身は完全に米国人で、既に東海岸で医療ベンチャー2社を創業済み。議論をまとめるのが非常にうまく、経営者の頭とエンジニアの頭がフル回転する凄さを毎回見せつけられる。
  • J:金融工学から軍隊に入った異色のキャリア。奥さんもロースクールの学生で、結婚3年目にして、イラクから帰ってきてから最初の同居生活になるとのこと。周囲や英語の下手な自分への配慮、ロジカルな考え方、抜け目の無い思考が、軍隊で鍛えられた大きい声に乗せられて放たれると、すでに完成されたリーダーシップを強く感じる。
  • Z:大手コンサルからの社費派遣生。学生時代は東海岸で歴史を専攻していたとのこと。文章を書くのがうまく、グループでのレポート等は本人がキーボードにかじりつき、周囲がやんや投げるトピックを見事な文章にまとめあげていく、というスキルを持つ。また、議論にもクリティカルな点を常に投げ込むため、彼が喋るときには場が静まる、という評判を既に築いている。
  • K:大手通信会社出身の家族持ち。おそらくだが年長者で、いわゆる若い米国人とは異なる落ち着きと、影響力や、深みのある発言がチームにまとまりを与えている。一緒にいて、もっとも安心できるキャラクター。
  • H:大手コンサル出身の女性。話がうまく、ディスカッションなどは自分がファシリテーターとしてがんばったつもりでも、いつの間にか彼女が場を仕切っている。何というか場を持っていってしまう能力が高く、コミュニケーション能力とは何かを具現している。
  • A:8人のグループの中で、自分と並んで英語がやや苦手な外国人女性。大手消費財会社のペルー拠点出身で、ファッション業界を目指している、とのこと。ただ、英語が苦手、と聞いていたのだけど、自分にはぜんぜん苦手なようには感じられない。だいぶ高いレベルで悩んでいるような印象を持つ。
  • そして自分。
こうやって書いてみると、改めて良いチームメンバーに恵まれたものだと感じる。家族持ちも案外多くStudy-Lifeバランスが割と管理できそうなのも心強い。

ただ、課題は山積。議論の様子を取ったビデオ(GSBの授業では、議論をビデオ録画し、お互いにフィードバックする、という恐ろしいカリキュラムがある)を見ていると、あまりに自分が溶け込めていない様子が明らかとなっている。そのため
、そもそもフィードバックを得るための機会を逸していることが多い。早くコミュニケーション能力を上げて、議論におけるアジェンダ・セッティングまで影響力を発揮したいところ。まずは現地化・同化して、守・破・離の最初のステップを早く身につけたいと思う。