出国前、会社で2004年の入社時に大変お世話になった方から、
「存分に学んできてください(たまには息抜きと文化の吸収も)」
というメールを頂いた。西海岸らしい文化の吸収は何だろう、と思ったときに、最初に思い当たったのがナパのワイナリー群だった。以来半年弱、中々訪れる時間が確保できなかったのだが、一昨日、思い切って、遠出してみた。数あるナパ訪問記としては、あまりに初心者的であることについてはご容赦を。
ナパは、スタンフォードのあるパロアルトからは150キロ少しの所にある。途中、サンフランシスコ市街を抜けて、運転すること二時間少し。2月末は、芥子菜が黄色い花を咲かせている。
ちなみに、芥子菜の花が本当に好きな(変わった)方は、全然関係ないけれども12月のインドを旅することを薦める。デリーからタージマハルに行く途中の、視界が真っ黄色になる体験はAmazingとしかいいようがない。
ナパには本当に沢山のワイナリーがあるけれど、マス向けの所から、ニッチ、招待がないと行けない所、といった序列のようなものもあり、それなりにゲートキーパーが必要な印象。今回はガイドブックすら見ず、裸一貫で臨んでいます。
最初に訪れたのは、Silver Oakという、ネットを頼みに嗅ぎ当てた一件。
入り口から長い道路を入ると、いきなりリムジンが数台止まっている。リムジン専用の駐車場もあり、ナパってこういう所得水準のところなのか、という初期学習が始まる。
ここは、20ドルで2杯のテイスティングと、ワイングラスが貰える。カベルネとピノの試飲のあと、ただいまキャンペーン中ですといって、一本100ドル、2000年のカベルネが一杯ついてきた。一本100ドルのワインなんて、自分のお金では初めて(試飲だけど、一杯だけだけど)なので、何だか嬉しい。
そのあと、ランチに。これまたネット頼みで探し当てたレストランのBuchon。隣にベーカリーもあるところ。
ここでもピノを頂いて、チキンとビフテキという贅沢ぶり。二人で130ドルの昼食とか、これまたいつ以来だろう。段々と良くなる天気に機嫌を良くして、財布がダダ漏れ状態になる。
午後は、たぶんこれぞマス向け、という所なのだろうけど、Robert Mondaviのセラーへ。一人25ドルのツアー(3杯の試飲つき)に参加。
2月末は、まだ苗木がある、というだけの時期。小さな苗木の真ん中に切り込みを入れて、思い切りT字に曲げるのだと。一度芽が出たら、一日5センチのスピードで育つらしい。
平原一面にこれが広がっていると、苗木だけでもきれいなので、夏に来たら(暑いらしいのだけど)尚更凄いのだろう。絶対、また来ないと。
解説をしてくれたソムリエのおっちゃんいわく、ナパのブドウは、夏の間の酷暑により糖度を増したあと、秋口の急激な冷え込みによって皮にタンニンを蓄えるらしい。サンフランシスコ湾から立ち込める霧が、数十キロ北上してこの谷に立ち込めることが大事なのだと。
モンダビさんは、イタリア系の家族の子孫で、禁酒法時代に、家族ごとに200ガロンまで自家消費用のワインを作って良いという特例に気づき、こちらでビジネスを築いたのだとか。
Mondaviのセラーは、なるほど大手という感じで、ものすごい量のリザーブワインを作っている。
鏡写しではなく、ずっと続いてるんです。
これ全部でも、2009年収穫分だけらしい。同じだけの量が、他のフロアに置かれている。圧巻というか、工場萌えのような気分に。この後、3杯の試飲をして、遅くならないうちにそそくさと帰路につく。
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