2009/10/11

スタンフォードでの食生活(初級編)

こちらにきて、ポジティブサプライズだった二つの点は、一つは学生の質の高さであり、もう一つは食生活のポテンシャルの高さ、である。後者について少し記しておきたい。

米国の食事というと、普段は、こういうのが想起される。


ただ、こういうものは、正直週に一度食べるくらい。20代後半にもなって、そんな簡単に味覚が変わるわけもなく、身体が求めるものはほとんど日本での嗜好と変わらない。
平均的な食事生活は;
昼は学食でメキシカン等のエスニック料理かサンドイッチ(どちらも6ドル程度)・サラダ(5ドルくらい)で「済ませる」という感じ。GSB内の学食は、正直東海岸の某有名校(Hではない)の学食カフェで売られているものよりははるかにマシであり、案外満足していたりする。ちなみに、どこでもフルーツ盛とかがあって、これはすごく美味しい。
夜は結構な頻度で、家で和食、という感じになる。

昼も家で食べられる日が1・2日はあるので、結局自炊のレベルを高めることにわが家の経営資源は現在割かれつつある。

日用スーパー

まず、ヘビーユースの普通のスーパーは以下のラインナップ。

Safeway:メンローパーク、車で8分程度。
でかく、日用品も揃う大型スーパー。物を選べばまずまず満足できるのと、何より近いのが利点。ワインもここは蔵か、と思うくらいにある。牛肉はこういうところでも、かなり安く、ステーキにして美味しいお肉が手に入る。

Whole Foods:サニーベール、15分
野菜・フルーツ・肉・魚が大変充実。鶏肉も美味しい。ここのトマトは、これまで食べたことがなかった位美味しかった。フルーツも然り。

チーズ、ワインも一杯揃っているのだが、後者は加州発行の身分証明書が必要なので、買うことができない(日本政府発行のパスポートはダメだった)。ちなみに、日本酒も入手可能(こちらもパスポートでは買えない模様)。



日本食スーパー


スタンフォード大学の近くにある日本食入手経路(あくまで一ヶ月間で把握できるレベル、初級編)は主に3ヶ所。

ニジヤマーケット(Mountainview、車で15分程度)
http://www.nijiya.com/
割と近い日本食スーパー。80年代終わりから5年間、ロンドンに住んでいたころ、ほとんど大型日本食スーパーというものがなく、最後のころに進出してきたヤオハンを見て本当に感動したのだが、ほとんどその時の規模そのままな印象。


ミツワマーケットプレイス(サンノゼ市内、30分)
http://www.mitsuwa.com/

ウェブサイトにもあるように、紀伊国屋書店やレンタルビデオも隣接する大型スーパー。ここで文句をいうようだったらもう海外に住んだらあかん、という気分になる。ここを上回るのは香港とかのスーパーとかくらいだろうか。サンノゼが日本人街としてはかなり古株であることを、何となく理解できる。

あまり良いサンプルではないかもしれないが、納豆とかも結構な種類が手に入る。

あと、お魚とかも。


マルカイ(クパチーノ店、25分)

http://www.marukai.com/

ダイソーとビアード・パパが隣接するスーパー。こちらも大きい。冷凍物のラインナップ、お刺身の質はこちらの方が上のような印象。



冷凍の干物とかも手に入るので、何というか「あー日本食、食べたい!」というときにも

こういうものは、結構手軽に家内に作ってもらえたりする。極楽。



はずれの存在


外食については、トラックレコードが蓄積されたころにまとめて紹介しておきたいが、選べば美味しい、という印象。
最初に食事の「ポテンシャル」という表現を用いたのは、ハズレはしっかりありますよ、という例もあるということ。たとえば、GSBの学食で売られている;

とかは、見た目は結構いけそうな感じなのだけど、ほとんどコナモノのエビ、味がついてない牛、ぼっそり芯の残っているごはん、野菜は枝豆と生姜だけ、という感じ。見た目で選んではいけない。


まずは初級編はこんな感じ。中級以上に発展することを長期的に期待。

Week 3 終了

生活の立ち上げフェーズから、徐々に授業に集中していくような段階にある。

1.Section Olympics
日曜に、64名からなるセクション(クラス)同士で対抗するSection Olympicsが開催された。



各セクションごとに共通のシャツとかを用意するケースも発生。しかし、自分の属するセクションはチームカラーのピンクを纏う。こんな色のTシャツは初めて。
チームとして微妙な結果に終わったが、どちらかというと全員で何かをやる、という一体感が重視のイベントで、楽しかった。

2.Wallyball
Olympics後、ウォリーボール(スカッシュ用のコートで行われるバレーボール、横の壁は使用可能)のGSBのチームに混ぜてもらい、初戦を勝利。


ただ、運動会と本競技で、久しぶりに身体を酷使し、月曜は動けないくらいに腰が痛かった...

3.友人夫妻とご飯
クラスで一緒のインド人夫妻に夕飯に誘って頂いた。彼の前職はBCGのシカゴ拠点。問題なく英語はできるし頭は切れる上、非常に親しみやすいキャラクター。インドマグロの話から、なぜかホストが客のツケが払えなくなったときにマグロ漁船に乗る、みたいな話をする。奥さんもおそろしく社交的。多人数で話をしたり、授業の流れを読んで英語を話すのは結構難しいけど、こういう形で少人数で、自分の組み立てた話題で中心で話すのはハードルが相対的に低いのかもしれないな、と思った。

4.車で最大のポカミス
木曜に、朝から晩まで授業を受けた後、そういえばガソリンがそろそろ切れるな、と思い帰宅してから超近所にあるガソリンスタンドで給油。
家に帰ったころに、ふと気づく。あれ、ディーゼルって書いてなかったっけ。レシートを覗くとまさにその通り。普通は走れないらしいのだけど、少量のガソリンが残っていたので走れてしまったらしい。結果はこんな感じに。


人生初のレッカー体験。幸い、プラグとかは無事だったみたいだけど、600ドルくらい修理点検費が計上された。
寝ぼけた時に慣れないことをするとろくな事がなし。

5.ケーブルテレビを導入
大学内の寮のある地域には、ケーブルテレビ網が張り巡らされている。月々50ドル程度で加入可能で、日本語チャンネルも一つあった。NHKの番組がほとんど流れているのは我が家には嬉しい。サンフランシスコベースのアジア・ヒスパニック向けテレビチャンネルでも、週に計10時間ほど日本語放送をやっていたのだけど、晴れて24時間放送、台風速報とかをこの国でも見られるようになった。

6.担当教官と面談
30分ほど、キャリアおよび勉強関連の担当教官に面談頂く機会があった。マッキンゼーの幹部だった方で、今は半引退気味で、自分の属するクラスのクリティカルシンキングの授業と、NPO経営論を教えている。正直、強面コンサルタントという感じで、凄くこわーいイメージを持っていたのだが、授業そっちのけで色々と親身に相談してくれた上で、大前研一氏と横山禎徳氏では、お前はどっちかというと前者寄りだというびっくり評価を頂く。どちらかといえば後者のファンだったのだけど…

7.FBI長官の講演
一時間、現役FBI長官の講演を聴く。いつもは伸びやかなビジネススクールのキャンパスも、この日は探知犬がそこかしこにいたり、シークレットサービスみたいなのがいたりと落ち着かない雰囲気。
講演そのものは正直、あんまり新しい発見はなかったのだけど、元々S大ロースクールの教授だったこともあって、気さくに言えることと、「それは全くお答えできない、すみませんねえ」といった話が展開される。FBIは911以前はパッシブな捜査機関だったが、テロ以降はテロの事前阻止がミッションとして大きく追加されたことや、それ以前は法的に不可能だった部門間の情報共有が行えるようになったこと等、過去数年間の激変の解説が行われた。

8.モルスタ幹部の講演
GSB卒業生のリサーチヘッドの講演も実施された。まとめてしまうと、DWの某社長はひどい社長だった、ジョンマック万歳、ゴーマンはタイプは違うけどすばらしいリーダー、という話の組み立て。金融危機の間、政府から様々な提携話を持ちかけられた際に、自分たちよりも劣化しているところとなぜくっつかないといけないのか、という点について、CEO Mackは頑ななポジションを貫いていた、それがリーダーシップというもの、ということが話の中心にあった。

9.授業関連
授業自体は色々と進展していて、すごい量のケーススタディの読み込み等を行ったりしている。読み込む量が多すぎて、消化も足りておらず、コールドコールに対処できるだけの準備はできるが「時間がなくて勉強ができてない」「知識が体化できていない」という状況。再来週には中間テストがあるので、それに向けて、もう少し体系的に自分の中で整理をしたいのだけど、今後時間はあるのだろうか。。。唯一、ファイナンスの授業だけは何というか楽勝な気分で臨めているので、少し楽をしている。
来週は、まさか、と思えるような某超有名人(一応S大の教授という位置づけ)による講義が行われる予定で楽しみ。

2009/10/03

Week 2 終了

だんだんと、真新しい発見の数は低減しているものの、3週間目に起きたことをまとめておく。

1.発言Of the weekを受賞
グローバル経営論の授業において、日本の小売業が取り上げられた。クラスで唯一の日本人である自分は集中砲火的に質問を受ける。
その中で、日本ではコンビニのPOSシステムが発達していて、消費者行動が見事に記録されており、サラリーマンが「愛妻のパンスト」を買う行動が観察されている、という話が自分に振られた。
「私も(頼まれて)パンストを買ったことがあります!」
は、だいぶウケ狙いで放った言葉ではあったものの、たぶん真面目なキャラとして見られていた自分とのうまいギャップがあったらしい。一週間、このネタでいじられ続けたが、別にHentai!という話ではなく、何というかコミュニケーションの距離が縮んだことで皆が話しやすくなったのだと思う(と、信じたい)。

2.ウェルカムパーティに参加
学校から15キロほど離れた別荘地のような場所にて、仮装パーティ(正装か体操着(学校のユニとか))に夫婦参加。夜21~25時という時間帯だったので、Hit and Awayで帰ってきたのだが、こちらに来てからというもの、生活セットアップで学校行事にあまり参加できていなかった中、良い滑り出しとなった。

3.授業のテーマ「人をどうやって動かすか」「コネをどうやって作るか」
組織行動論の授業は、毎回独特な内容が展開されている。今週の2コマは、人をどうやって動かすか、という事例を、12人の怒れる男たちを実際に見ながら評論したり、「お願いごとをポストイットに書いて他の人に助けを乞う(何も助けてもらえない人も発生)」といった作業を通して、ダイレクトに人が置かれるシチュエーションによって、他人との距離を縮めたり、コネを作り上げたりするプロセスを実感。いかにもなビジネススクールの授業で、今まで経験したことのない発見があった。

4.CATセミナー
GSBでは最初の学期における必修授業として、Critical Analytical Thinking(CATと略される)という授業が課されており、宿題等のウェイトとしては結構重い位置づけとなっている。先週はグーグルの中国進出についての討議が行われたが、今週はNRSRO(米国の格付け会社制度)についての議論であった。
詳しくはググって頂きたいが、NRSRO制度は米国においても金融オタクの話題である。課題はそれをかなり単純化したものではあったが、仕事で考えたり本で読んでいたトピックがそのまま全一年生の作文の対象となっている、という事実に驚いた。また、金融機関出身者でも、結構意見が分かれる(政府のみが格付を付すべき、というHF出身者)というのも驚きであった。

5.自転車の盗難
まだ現在進行中だが、チェーンをかけて学校の自転車置き場に置いていたチャリが紛失。こちらでは、防犯用としてチェーンは不十分とされており、U-Lockと呼ばれるいかつい輪をはめるのが普通になっているのだが、このときに限って授業に遅刻しそうでそれができなかった。わずか1.5時間の間の凶行に涙。

6.Whole Foodsに心酔
マウンテンビュー近くに、Whole Foodsという、Queen's Isetanに近い位置づけのスーパーがある。ここの野菜・果物・肉等がおいしくて、たぶんSafewayは緊急避難的にしか使えなくなるような印象。

7.ご近所づきあい
今住んでいるEscondido Villageは基本的に子持ち世帯が多くて、落ち着いた環境になっている。中には、子供がやんや遊べる砂場やら玩具やらが沢山あり、共同の庭となっている(日中は結構子供が遊ぶ声でうるさい)

大きな地図で見る

週の初めに、顔合わせパーティが催され、日本人のご家族と、日本が非常に堪能な中国の留学生の方とお会いした。スタンフォードにも、探せば日本語人口が結構いるが、キャンパスがでかすぎてなかなか一箇所に溜まる、ということがない。まあ、その方が個人的には良いのだけど。



2009/10/01

チーム

2週間半を経て、スタディグループに加えて、8人で討論等を行うチームでの作業ややり取りが増えてきた。既述のスタディグループのメンバーも含まれるものの、自分の属しているチームのメンバーの初期のイメージとして、以下に記しておきたい。


  • R:投資銀行経由でヘッジファンドから来た、いかにもな米国バンカーの風体。声が大きくて、正直何を話しても交渉ごとでは負けそうな雰囲気を醸している。実際に、交渉能力も高くて、どの段階で情報を出すか、何をボトムラインに持っていくか、絶対に譲らない態度、といったあたりからは間接的にいろいろと学べるものがある。その上で、結構まめに補習のクラスに出ていたり、自分はこういう貢献が足りなかった、といった自戒もできる。
  • T:既にコンピューターサイエンスの修士号を持つ中国人女性。頭の中身は完全に米国人で、既に東海岸で医療ベンチャー2社を創業済み。議論をまとめるのが非常にうまく、経営者の頭とエンジニアの頭がフル回転する凄さを毎回見せつけられる。
  • J:金融工学から軍隊に入った異色のキャリア。奥さんもロースクールの学生で、結婚3年目にして、イラクから帰ってきてから最初の同居生活になるとのこと。周囲や英語の下手な自分への配慮、ロジカルな考え方、抜け目の無い思考が、軍隊で鍛えられた大きい声に乗せられて放たれると、すでに完成されたリーダーシップを強く感じる。
  • Z:大手コンサルからの社費派遣生。学生時代は東海岸で歴史を専攻していたとのこと。文章を書くのがうまく、グループでのレポート等は本人がキーボードにかじりつき、周囲がやんや投げるトピックを見事な文章にまとめあげていく、というスキルを持つ。また、議論にもクリティカルな点を常に投げ込むため、彼が喋るときには場が静まる、という評判を既に築いている。
  • K:大手通信会社出身の家族持ち。おそらくだが年長者で、いわゆる若い米国人とは異なる落ち着きと、影響力や、深みのある発言がチームにまとまりを与えている。一緒にいて、もっとも安心できるキャラクター。
  • H:大手コンサル出身の女性。話がうまく、ディスカッションなどは自分がファシリテーターとしてがんばったつもりでも、いつの間にか彼女が場を仕切っている。何というか場を持っていってしまう能力が高く、コミュニケーション能力とは何かを具現している。
  • A:8人のグループの中で、自分と並んで英語がやや苦手な外国人女性。大手消費財会社のペルー拠点出身で、ファッション業界を目指している、とのこと。ただ、英語が苦手、と聞いていたのだけど、自分にはぜんぜん苦手なようには感じられない。だいぶ高いレベルで悩んでいるような印象を持つ。
  • そして自分。
こうやって書いてみると、改めて良いチームメンバーに恵まれたものだと感じる。家族持ちも案外多くStudy-Lifeバランスが割と管理できそうなのも心強い。

ただ、課題は山積。議論の様子を取ったビデオ(GSBの授業では、議論をビデオ録画し、お互いにフィードバックする、という恐ろしいカリキュラムがある)を見ていると、あまりに自分が溶け込めていない様子が明らかとなっている。そのため
、そもそもフィードバックを得るための機会を逸していることが多い。早くコミュニケーション能力を上げて、議論におけるアジェンダ・セッティングまで影響力を発揮したいところ。まずは現地化・同化して、守・破・離の最初のステップを早く身につけたいと思う。

2009/09/27

体重管理

出国前に、友人、会社の同僚皆に心配された最大のトピックは、学業ではなく体重である。
これまでの遍歴で言うと、18~25歳の間は72kg前後、結婚して80キロ台に突入、出国前は82kgまで到達していた。これが、飽食の国でどうなるか、は友人の間ではすでにギャンブルの対象となっている。

なので、一応毎月末、ご報告をしようと思います。
8月末:82kg
9月末:79kg ⊿=-3kg

ちなみにこの間、香港での暴食経験が存在しているので、最大値―最小値は4kg程度になっていると推測。新生活と、学業にかかるストレスに加えて、やっぱり外食の質に由来するところが現状では大きいと分析しています。

Week 1が終了


1週目はオリエンテーション的色彩があったものの、とうとう本格的に授業が開始。

合計5科目(企業金融、戦略論、リーダーシップ形成、クリティカルシンキング、グローバル経営論)について、おおむね週に2回ずつ授業があり、ケース一つ、リーディング50ページ程度が授業ごとに課されている。ものによっては100ページを超える場合も。

とにかく時間が捻出できない中で、クラスメートは夜飲み会に繰り出したりとImpossibleを行っている。すごすぎる。

2週間終わって、まったく会話ができない「うなずきマシーン」からは多少脱したものの、やはりこちらの人の会話のレベルにはついていくのが大変。(1)言語能力の壁、(2)地頭の壁、(3)コミュニケーションの壁、の3つでいうと、(1)、(2)はしょうがないが、(3)はとても高く、努力次第といえ、たいした高さだと思う。

ただ、だんだんと慣れや、力の抜き加減も体得中。一度は「今コールドコール(先生からの指名回答)されたら終わる」状態で90分耐え抜く経験(ネームカードを読めないように級友の頭の後ろに移動。我ながらセコすぎる)をした。

また、日本から3名のお客様をもてなす。うち、1名は結婚式でスピーチをしてくれた家内の親友で、都合3泊して頂いた。新しい家でのアコモデート方法やら、家具の調達やらがいろいろと上達。加えて、他学部への出願希望者に学生を紹介する、といったロジスティクスも経験。もう先輩ヅラするのも僭越なものの、自分が昨年10月に経験した状況を思えば、できるだけ還元したいとの思いでお手伝い。日本人同士での異国での体験には、日常にはない感慨が残り楽しい。

日本からの学生の研修旅行の打ち上げ会にも参加。さまざまな、こちらで活躍されている方々にお会いし、渡辺千賀さんにこちらでの生活情報を教えて頂き、励ましいただくという栄誉にも与る。シリコンバレーに来てみようと思った契機となった本の著者に簡単に会えたりするのは、やっぱり有難いことだなと感じた。日本でのビジネススクールの集まりにも、冨山さんが気さくに話しかけてきてくれたりと、正直こんな身分でよいのだろうか、みたいな経験が多い。ありがたや。



2009/09/19

Week Zeroが終了

開始が遅いとかごねていたものの、到着し、授業が開始して一週間目が終了。
この週は、Week Zeroと称され、授業は2種類しか行われず、他はオリエンテーション等に費やされた。今年入学の学生数は385人、これらが6のセクションに分割され、約60人超のメンバーで基本的に授業が進行する。


会計学の授業
会計学は、応用・経験者向け・基礎編の3段階にレベル分けがなされている。もっとも、PE出身者が基礎コースにいたり、物理学出身のエンジニアが応用にいたりと、直観と合わない変更もなされている模様。全4回という、入門的位置づけ。
いちおう、金融機関出身ということで応用コースに配属された。会計の授業は、BS・PL・CFの見方という、非常に基礎的な事項に終始している。ただ、よく考えると証券アナリスト試験(もろくすっぽ取り組まなかった)程度の知識しかない自分にとっては、良い基礎固めになった。渡米前にかろうじて読んだ三位一体理解法の本は、その準備として大変役立っている。
また、4回目の授業においては、バランスシートと収益構造から企業名をリストから当てる問題も出された。それまで、なかなか英語でグループワークをやるのには苦労していたのだけど、金融用語であれば、外国人相手にそれなりに体力を発揮できるだけでなく、確実にコミュニケーションを行えることが確認できた。変な見方かもしれないが、ファイナンススクールに通えばこの点はもっと早く認識し、ある意味楽していたのかもしれない…苦労は買ってでもするべきなので、何というか良い経験になっているものと信じる。

チームワークの授業 (Managing Groups and Teams)
会計の授業は割と溶け込みやすかった一方、チームワークの授業は精神的にシビアなものであった。毎日、計5回の授業が行われ、毎回なんらかのゲームが行われた。初回は脚本を読んで殺人犯を当てるゲーム、2回目はレゴの形態を模写するゲーム、3回目は砂漠でのサバイバルに必要なツールを当てるゲーム、4回目は点数の異なるおはじきを取引するゲーム、5回目は予算制約のもと、16班に分かれて絵を描くゲームと、どれも小学校でやるような感じではあるものの、大人がそれを行うとヒエラルキーが生じたり、排他的にならざるを得ない状況になったり、真剣に喧嘩したり、といった状況が生じる。また、別に犯人を当てる能力や、交渉・取引の能力が大事なのではなく、その過程で生じる人間的ないざこざが焦点にあったりして、よく練られたものだと素直に感動。

ただ、1週目とは思えないほどにハードな議論が交わされていたことは、ある意味うれしくも厳しい誤算であった。また、犯人探しゲームなどは、20分で文献読んで~、と教授に指示されるものの、情報の半分程度しかカバーできない、といったハードルを早速感じた。授業でやっていること自体は楽しく、面白かったのだが、議論の輪に途中参加することは不可能に近いほど、会話と思考が高いレベルで行われていて、なかなか参加意識を持つことが難しかった。トップ校ゆえの性格ではあるかもしれないが、英語が一人前ではないことに、暗にエクスキュースが許されないような雰囲気がある。また、教授が質問を投げかければ、まず10本の手が挙がるような状態の中で、真にInsightfulなアイデアを述べることは、結構ハードルが高い。週の途中で、個性を出すことはしばらく諦め、とにかく頭を切り替えて、まずは発言することを自分の目標として再設定した。年内のうちに、この辺のコミュニケーションスキルを(飛躍的に)上げて行きたいと感じる。
それにしても、英語での思考能力が数割ダウンではあるとはいえ、周囲のレベルは非常に高い。正直、こんなに高いとは正直、想像すらしていなかった。ゲーム中、たまたま当たった交渉相手が、よく聞いたらヒューミント出身だったり、CIA出身だったりして、もう誰も信じられなくなるような(笑)スキルの高さに出会ったりする。また、軍隊出身者も多く、はっきりと物を大きな声で主張したり、目標設定とコミットメントがありえないくらいしっかりとしていたりもする。米国式のコミュニケーションと、英語能力、思考能力やパターンの違いという、3つの壁があることを認識して、どこまで同化していけるのか、まだ図りかねているような段階。


学事オリエンテーション


S大のプログラムでは、平均的な学生の社会人経験が4年程度であることもあり、独身の学生が多い。独身学生の大半は、チャールズ・シュワブの創設者が寄付したSchwab Residential Centerに居住しており、いかにもな独身寮生活を一年目の間は享受することになる。
しかし、既婚者や、同寮に入れなかった学生は、そのマジョリティの計画するパーティーやイベントへの参加率が必然的に下がる。これが2カ月ほど継続すると「FOMO(Fear of missing out)」と称される「仲間はずれじゃないか症候群」状態に陥るらしく、学事センターから「FOMOは一過性の病気、いずれみんなSchwab生活に飽きてきますよ」というアナウンスがあったくらい。
また、「我々は入学にあたって皆さんを個性で選んでいます。なので他人に合わせるようなことは考えないでください、Be yourself please.」と念を押したりもしている。ほかにも、「皆さんは大学で、それこそ周囲で競争相手がいないくらいに優秀だったのでしょう。でもここでは、その中でさらに競争が行われたりします。当校での評価でPass(優良可の可)を得ても、それは半端ではないレベルの可であると思って、自信を持ってください」といったコメントが行われたりしている。
週の終わりには、「皆さんの中には英語が母国語ではない人達もいます、ゆっくり話していてもちゃんと聞くように」といった、通達もあった。これには保護されて助かるような、甘んじるのを許可されるのがいやな様な、複雑な印象を持った。

加えて、Honor Codeと呼ばれる学生同士の協力に関する一定の制約についても、アナウンスが度重なり行われた。米国の大学では学生同士が協力することを、原則禁止している。その上で、教授の許可により、それを可能としているケースが多い。日本ではまず良く分からない概念ではあるものの、学生同士のフェアネスを確保することがその根底にあるとのこと。ゆっくりと順応していきたいところである。


スタディグループ
授業によりけりではあるものの、64人のセクションは4分割され、批判的分析をテーマとする16人の少数クラスが設定されている。さらに、それがリーダーシップを学ぶために2分割され8人のグループに、加えて細かいスタディグループとしてそれがさらに半分になり、最小単位では4人のグループとして、今後しばらくは学習を行うことになる。自分のグループは、人のよさそうな軍隊出身者(ただし声はデカい)、北京出身のITエンジニア(S大工学院卒)、ベイン出身の米国人、という布陣。正直、まともな英語が話せないのが自分だけで、そこそこ配慮をしてもらっているような気はするものの、やはりちゃんと議論に貢献していかないと、というプレッシャーはある。HBSに比べればフレンドリーな環境であるだけに、それには甘えずにやっていかないと。


授業の課題で作成した絵。中央の女性の顔を担当。ほとんど議論には参加しない寡黙な日本人技術系人材をアピール…
ちなみに、授業の構成としては、3人の顧客(生徒)が一定のスペックと予算をクラスに指示、クラス内で指名されたマネージャーが絵の具や画材等の値段を気にしながら、時間内に水彩画を作り上げるというもの。画の小さな原画は16分割されており、各テーブルで作ったものを張り合わせなければならない、というもの。計80分のみの作業時間の中にしては、かなりうまくできたほうだった模様。皆感動して写メールやら記念写真を撮っていた。