2010/01/08

冬学期始まる

1月4日から授業は開始。GSB一年生は基本的に一年間、割と固定されたコースワークをこなすため、内容の毛色はさほど変わらないが、クラスがリシャッフルされた状態で始まるので、割と新鮮な思いで学校に通っている。履修している科目は以下。

・組織の経済学
・Eコマース
・マーケティングと競争環境
・会計学
・確率データと意思決定

これらは全て、基礎的な授業の初級・中級・応用のいずれかとして位置付けられているのだが、組織の経済学(ミクロ経済学の応用コースに相当、英語名はEconomics of Organization)の履修内容には驚かされている。(以下、経済学用語に溢れている点ご容赦下さい)

始まる前は、ミクロ経済学の応用コースであれば、不完全競争のおさらいをやって、契約理論の枠組みを使って雇用体系とかの良し悪しを考えたり、産業組織論のネタとかを扱うのだと思っていた。しかし、全然レベルが違った。
授業の初回から、不均一な財の取引メカニズムの質をどうやって判定するのか、という課題が課されて、皆あーでもないこーでもないと、「絶対に完全な解がない」問題に対して右往左往。二回目の授業(同じ週の木曜)の課題では、同じ会社の中でエンジニアを貸し出すマーケットの取引メカニズム(貸し手と借り手の情報の非対称性等、意地悪な前提が複数ある)を考えて、その欠点と共にプレゼンせよ、といった課題が出ていて、何だか経済学の修士課程に飛び入り参加してしまったような感慨に包まれている。正直なところ、今までの二回のぺースがこのままの2年間続けば、(ちゃんと付いていければ)メカニズム・デザインのPh.Dが取れてしまうんではないかと思ってしまうくらい。
教授は、ロバート・オーマン(参照)のイスラエルでの弟子で、これぞゲーム理論学者、という感じの人である(ちょっとクレージーな感じも)。学生時代に組織の経済学をバイブルにしていたので、元々楽しみにしていた授業ではあったが、予想外のレベルで好奇心をそそられている。

他の授業も、それなりにシビアな内容。Eコマースとかは、Salesforce.comからLinden labまで、ありとあらゆるシリコンバレー的企業のケースを網羅して、その競争優位をエクセルワークを通じて知るというもの。マーケティング(初級)は、企業経営モデルを動かして互いのチーム同志で競うというもの。会計学(応用)では、初回の授業でITバブル期のアナリスト不正が暴かれる過程を扱い、主要な「会計操作の素」を知るような構成になっている。
まだ始まって3日だが、秋学期の授業の多くがCEOとしての目線を鍛える内容であったのに対し、冬・春学期は「CFO、CIO、COO、マーケティング等の部門長、エンジェル投資家等の目線」を鍛えるパートになるのかもなあ、と今のところ感じている。結構ワークロードも重い(とりわけ、チームでやる課題が増えた)中で、今後どうなることやら。

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